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【読書感想】ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト/上遠野浩平

ブギーポップの原作を読み返すプロジェクト第10弾。10作目かあ…。もう、既読の作品はこれ含めて3作のみ。これだけ短期集中して読むと、初読時とは違った面白さがある。 

ブギ-ポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト (電撃文庫)

ブギ-ポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト (電撃文庫)

 

学校では優等生、家ではちょっとアブないやつという二面性をもつ結城玲治は、通りかかった駐車場で、顔に青あざをつくって自転車を盗もうとしている少女・濱田聖子と出会う。わけのわからない衝動に流されるまま、盗んだスクーターにまたがって逃げ出した二人は、「ロック・ボトム」と呼ばれる正体不明の破壊兵器を巡る争いに巻き込まれていく…。

 

「俺たちに明日はない」的な、男女の犯罪者ペアが主人公。ついこの間まで普通の生活を送っていた二人が、なぜに希代の犯罪者コンビ「ホーリィ&ゴースト」と呼ばれるに至ったかは本編を読んでいただくとして、まず一言。これ、めちゃくちゃ面白かった! 自分がブギーポップシリーズで一番好きなのはパンドラなんだけど、それに続く作品かもしれない。

 

なにが良かったかというと、ホーリィ&ゴーストこと結城と濱田の二人がすごくいい。有能かつひょうひょうとして動じない、だけどちょっと心の中に満たされないものを感じている結城と、一見流されるように生きているだけに見えて、その実絶対にゆらがない芯を持つ濱田の名コンビ感がたまらない。喧嘩ばかりしながらどこか相手を信頼しきっているところがあったり、恋愛に傾きそうでギリギリそっちには転ばない絶妙なバランス(または、アンバランス)といい、すごく刺激的で同時に安心感を与えてくれるなかなか珍しいタイプの主人公だった。

 

やっぱり大好きなパンドラと似ているとことがあるのは、あっちが6人のチームであったのに対してこちらがコンビものであること。自分は、チームものやバディものが大好きなんだなあって再確認した。

 

ラスト近くで、フツーの人間だったはずの二人が、想像のはるか上を行く命の危険を前にして堂々と立ちまわる姿はある種感動的ですらあった。そして、かっこよかった。なんていうんだろう、人間賛歌的な?シリーズでは珍しく、人間の生き様を全肯定してくれるような展開もスカッとして気持ちよかった。

 

一つ、パンドラよりもこっちが良かった点がある。それは、エンディングだ。色々な事件に巻き込まれ、一度は出会わなかったことになった2人が、再び出会うラストシーン。パンドラでは6人の時間は終わってしまったけれど、ホーリィとゴーストの時間はまた続いていく。2人のこれからの物語も読んでみたいと思った。

 

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