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【読書感想】ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸食/上遠野浩平

ブギーポップの原作を読み返すプロジェクト第7弾。

 

ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 (電撃文庫)

ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 (電撃文庫)

 

 このエンブリオ浸食と次のエンブリオ炎上で実質上下巻構成なのだけど、タイトルが別になっているので一応別に感想を書いてみる。

 

本作は、たまごっち、もといエンブリオという、人の秘められた可能性を引き出してしまうという謎アイテムをめぐる争奪戦に巻き込まれてしまった人々の混乱、そしてその中で生まれた戦闘能力特化のMPLS"イナズマ"と最強の名で呼ばれる合成人間フォルテッシモの戦いの始まりを描く。

 

この巻あたりから、初期のサイコサスペンス路線からグッと能力バトル路線に傾いてきたような気がする。個人的には能力バトル大好物なので嬉しいのだが、初期の路線が好きだという人もいるだろうし、自分にもそういう気持ちもある。シリーズを長年にわたって書き続けるということは難しいものだし、追いかけるファンもいろいろと難しい選択を迫られる。まあ、書くほうが何百倍も大変なのは間違いない。

 

ところで、いよいよ"最強"ことフォルテッシモが登場する。空間を裂くという、能力バトルものの強キャラご用達の能力を操る。このキャラ、大好きなんだよなあ。上遠野さんが能力者とか能力名に付ける名前がかなりツボなんだが、その中でもこれは一番好きかもしれない。最強の男に「フォルテッシモ」っていう名前を付けるセンス、控えめに言って最高じゃないか? 

 

そしてそのライバル的な立ち位置となるのがイナズマだ。高代亨という名の、背が高いことを覗けばごく普通の青年だが、かつて霧間凪と谷口正樹の師匠に出会い、侍という生き様にあこがれるようになったという背景がある。正直、普通に考えれば社会不適合者もいいところである。その思い込みの激しさがそうさせたのか、エンブリオの力で「相手の弱点を見抜く」能力に開花し、フォルテッシモに目を付けられるほどの強さを手に入れる。

 

その他、統和機構に反逆する小規模組織「ダイヤモンズ」のパールという人造人間なども登場して、色々と統和機構まわりの情報が出始めてくる巻でもある。事実上、上下巻の上巻である本作では、新キャラが続々と登場して、事件が起こり、最後にフォルテッシモとイナズマ最初の戦いまでで終わり。まだブギーポップも世界の敵を見極めかねているのか、大きな動きは見せていない。全ては「エンブリオ炎上」へ…というところで一旦この感想も終わりにしておく。

 

ところで、たまごっちがネタになっているあたりに時代を感じるなあ…と思っていたら、娘とプリキュアを見ているときテレビでたまごっちのCMがやっていた。まだあるんだなあ。

 

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