明日の君に会いに行く

絶え間なき離婚危機と戦うブログ

【マンガ感想】C.M.B.森羅博物館の事件目録(39)/加藤 元浩

 

 C.M.B.は1巻に4編収録なので、大抵1つ2つはいまいちのがあるんだけど、今回は全部面白かった。謎解きがというよりは、どのエピソードもお話としてよくできていると感じた。

 

「想像の殺人」は、絵の仕事をしたくてデザイン会社に就職したものの、営業に回されて思うような仕事ができていない男が、かつての恋人と出会ったことをきっかけに、理想と違う現実を変えようとする話。というと、なんだか前向きでいい話のようだが、この主人公が思い込みが激しく、理想とやらが周囲を顧みない独りよがりのものだったためにとんでもないことになってしまう。トリックについては、そんなにうまくいくか?という疑問があるが、内面が明らかになるにつれて不気味な印象になっていく主人公の描写が良かった。

 

パレオパラドキシア」は、勉強することに意味を見出せない少年・隼人が、山奥で研究生活を送っている叔父のもとで暮らす中でいろいろなことを学んでいく話。答えがわからないのは、正しい謎がわかってないからだっていう森羅の言葉は深いようで詭弁っぽくもあるけど、一面の真実ではあると思う。

ちょっとひねくれてるけど、本当は素直で、恐竜の骨(だと思ったもの)にはしゃいだり妹のために頑張る隼人が微笑ましい。

 

「ミグラスの冒険」は、悪徳商人のマウが主人公で、森羅は登場しない。殺人現場に落ちていた1冊の本がマウの店に持ち込まれたことがきっかけにして、殺人事件の謎解きをすることになる。

キモになるのは、大して恨みを買うようなこともなかった被害者が殺されるに至った意外過ぎる動機。これは、作中に出てくるミグラスの冒険という本の内容にもかかわってくる。こんなことで殺すか?という感じだけど…。マウ好きだから出番がいっぱいで嬉しかった。

 

「空地の幽霊」は個人的には一番好きな話。森羅のクラスメイトの女子が、外国で働く父親への出紙を持って夜中に郵便ポストに向かう。その時に怪しい人影をみかけたことをクラスで話すと、幽霊だといって盛り上がったいつものメンバーで様子を見に行くことになる。果たして幽霊の正体は?

もちろん幽霊の正体見たりなんとやらなんだけど、その背景のストーリーが実にいい。そして、ラストのオチがまた最高だった。なにもね、いつもいい話で締めなくてもよいわけで、こういうのでいいんだよ。一番は友達同士がまた会えたことなんだから。

 

以上4編、軽めの話が多かったけど、とても満足度の高い巻だった。

過去の感想

【マンガ感想】C.M.B.森羅博物館の事件目録(38)/加藤 元浩 - 怒られる男の日記