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絶え間なき離婚危機と戦うブログ

【読書感想】思春期テレパス/天沢夏月

学、大地、翼の男女仲良し3人組が、高校生の間で流行している「友達の本音を教えてくれる【本音メール】」の噂を試してみたことをきっかけにはじまるひと夏の青春ストーリー。知らなかった、知りたくなかった、知られたくなかった本音が伝わってしまったことで、3人の関係性が少しづつ変化していく。 

たまには純度100%な青春ものを読みたいな、でも当然不思議要素は必要だよな、などと思っていたら見つけた作品。

 

読んでみて、期待通りの内容だったけど、正直序盤はなかなか読み進められなかった。高校生たちの普通の日常話が100ページくらい続くのでちょっと退屈で…。100ページ読み進める間(実時間で1時間にも満たないと思う)に別の本を2冊ほど挟んでしまった。一応本音メールの設定は初めからでてくるんだけど、これっていわゆる「友人同士の会話を立ち聞きしてしまった」とかそういう、恋愛もののあるあるシチュエーションとやってることは同じ。それをメールの形でやってるだけで、本音を知ってしまって関係性が壊れていく、みたいな展開はありきたりといえばありきたりだし。

 

一応、完全な不思議要素として、「本音メールに返信すると本音をなかったことにできる」という設定がでてくる。3人の関係を壊してしまった一人の恋愛感情を消してしまうか、それとも…という葛藤シーンにはドキドキした。ここが個人的にはクライマックスだったかな。終盤は、第4の人物、夜子という女の子が話の中心になっていく。かつて本音メールによって友人を失った彼女の心を救うために、バラバラになった3人の心がもう一回一つになれるのか。

 

まあ、なんていうか…この作品の感想を一言で言うならば…若いっていいよね!これに尽きる。大きな事件はあるものの、基本的には小さな人間関係の中で完結する物語で、その中で高校生たちがちょっと成長して未来への一歩を踏み出す、みたいな。登場人物みんないいやつだし、恋愛模様も年相応でさわやかだし、ラストも明るくてとても良かった。最初はちょっと退屈な感じの始まり方だったが、中盤以降は一気に読めたし面白かった。嫌味なところのない、素直で気持ちの良い小説だと思う。

 

ああ、高校生に戻りたいなあ。…と思ったけど、自分は男子高だったからだめだな。中学生まで戻らないと。