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【読書感想】リビジョン/法条遥

 

リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

リビジョン (ハヤカワ文庫JA)

 

 リライトに続く、法条遥さんの時間SFシリーズ第二弾。前作の感想はこちら。

okorareruotoko.hatenablog.com

正直、リライト以上に、めちゃくちゃな話だった。

 

主人公の霞は、一族の女性に代々伝わる手鏡をのぞき込むことで未来のビジョンを見ることができる。いままでも何度も未来を見てきたが、そこに映し出された運命は変えられたことはなかった。しかし、生後間もない息子「ヤスヒコ」の命を救うために、はじめて霞はビジョンで見た未来を捻じ曲げてしまう。その日から、霞と夫の邦彦、そしてヤスヒコは異常な現象に巻き込まれることになる。

 

簡単にいうと、バタフライエフェクトっぽい話。時間を超える能力を使って運命を変えたものの、思わぬ影響が発生してしまい、正しい運命を導くためになんども時を超える…という感じだ。

 

本作の場合は未来視の能力であるから、本来はあくまで視た未来に逆らって現在の行動を変えるのが限界で、過去には干渉できないはずである。しかし、過去の自分が現在の自分を「視に」来た場合、現在から過去へ干渉できるということで、結局過去改変をしていくことになる。このあたりで大概ガバガバ設定なのだが、そのうち鏡から手を突っ込んで過去や未来にものを送ったり取り出したりのドラえもんチックな描写も出てきて、もはやなんでもありの様相を呈してくる。

 

こうなるともはや私が時間SFに求める論理性、納得感などは時空の果てに遠のき、ひたすら作品の勢いに身を任せるだけになってくる。過去からすれば現在も未来だし、過去だって時間がループしていると考えれば未来なんだから、現在なんかない! 全てが過去であり未来であり現在なの! みたいなガバ理論にとりあえず頷きつつっ読み進める。

 

最後のオチは、あーもうめちゃくちゃだよ、とでも言いたくなったが、ラスト数ページで何となくさらりと明かされた衝撃事実のインパクトのせいで、なんとなく力づくで押し切られた感じが残った。むしろ、この事実を軸にして叙述ミステリっぽくまとめたほうがよかったのではないか? 

 

200ページ強と、長編というよりは長めの中編といったほうがしっくりくるボリュームだけど、勢いで一気に読ませるにはこれくらいが限界だろう。もしこれで400ページ以上あったら、壁にぶん投げたかもしれなかった作品だった。