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絶え間なき離婚危機と戦うブログ

夏におすすめのボーイ・ミーツ・ガールで少し不思議な小説たち

夏と言えば、男子と女子が不思議な事件に巻き込まれて、そのうちにちょっとひと夏の恋をしたりして、最後には謎がとけたり事件が解決したりする小説、ボーイ・ミーツ・ガールで少し不思議な、略してBMGSFの季節。時かけだって君の名はだって夏だったし、やっぱりこの時期にはBMGSFが読みたい。というわけで、この手の物語が大好きな私が、お勧め作品を紹介していく。

ただし、結婚してから6年間ほどほとんど本を読めていなかったので、この6年間の作品はすっぽり抜けてます。面白い作品があったら教えてください。

 

1.タイム・リープ あしたはきのう/高畑京一郎  

高校生の鹿島翔香は、日曜日の夜眠って、朝起きたら火曜日になっていることに気づく。まわりの反応からすると、月曜も自分が学校にきていたらしいが、その記憶が全くない。困惑する翔香が帰宅して何気なくノートを開くと、そこには月曜日の自分からのメッセージが書かれていた。「あなたはいま、混乱している…」

 

レジェンドオブレジェンド。全時間SFの中でもオールタイムベスト級の傑作。絶対にパラドックスの起きないタイムリープのアイデアもさることながら、パズルのピースがはまっていくように謎が解けていく感覚がたまらない。

 

2.失はれる物語/乙一  

失はれる物語 (角川文庫)

失はれる物語 (角川文庫)

 

人づきあいが苦手でうまく生きられない僕が引っ越していた家には、一匹の子猫と、そして一人の幽霊が住んでいた…(しあわせは子猫のかたち)その他映画化された、「Calling You」「傷」など珠玉の短編集。

 

せつなさの達人と言われていたころの乙一さんの初期短編集。私は「しあわせは子猫のかたち」が好き。「かなうことのなかった幸せな光景」という自分のツボに気づいた作品だったかもしれない。

 

 3.ある日、爆弾がおちてきて古橋秀之 

 「私、爆弾なんです」高校時代に気になっていた女の子によく似たその子は、そう名乗った。「世にも奇妙な物語」の原作にもなった表題作他、時間SF+ボーイミーツガールの短編集。

 

時間が止まったり戻ったりねじれたり、色々な形で時間の壁に隔てられた少年と少女を描いた作品を集めた1冊。捨て曲なし、すべて面白い奇跡の短編集。

 

4.パララバ ―Parallel lovers―静月遠火  

高校生の綾は、他校の男子生徒・一哉と知り合い、電話を重ねるうちに互いを意識するようになる。そんな矢先、一哉は事故で死んでしまう。ショックを受ける綾のもとに、死んだはずの一哉からの電話が。「綾、お前は死んだはずじゃ?」

 

お互いが死んでしまった並行世界で、事故の謎を解くために奮闘する二人。パラレルワールドのアイデアが、謎解きと出会えない切なさの演出に二度おいしい。デビュー作とは思えない完成度の作品。

 

5.ブラックナイトと薔薇の棘/田村登正  

高校のIT研究部に所属する黒崎雄一は、研究部で管理している掲示板の常連「天空のアイ」が自殺をほのめかす書き込みをしているのに気づく。黒崎は、同じく掲示板の常連「薔薇の棘」と協力して、「天空のアイ」を探そうとするのだが、その結末は意外なもので…。

 

まさにこのテーマにピタリな爽やかな作品。ネット掲示板から始まる事件って感じで、発表当時とはネット文化も変わっているので古臭く感じるかもしれないが、一生懸命な高校生たちの青春模様に引き込まれることうけあい。天空のアイの正体は、勘のいいひとならピンとくるかも。でもそれも含めて面白い。

 

6.カナスピカ秋田禎信  

カナスピカ (講談社文庫)

カナスピカ (講談社文庫)

 

 宇宙人により地球観測用に作られた衛星、カナスピカ。3万年にわたって地球をめぐる予定が、わずか50年で隕石に激突して墜落。目の前に現れた生物=加奈と同じ種族の姿を借りて、再び軌道上に飛ぶ方法を探す。成り行きでカナスピカに協力することになった加奈だったが、人間ではないはずの彼が次第に気になるようになり…。

 

ロボットとの恋、宇宙人との恋、SFの世界では異種族間恋愛もなんでもあり。でも、さすがに人工衛星との恋を描いたのはこの作品だけでは。キュートな恋の物語でもあり、骨太なSFでもあり、日常の一コマでもある、そんな不思議な小説。

 

 7.ペンギン・サマー/六塚光 

ペンギン・サマー (一迅社文庫)

ペンギン・サマー (一迅社文庫)

 

街に古くから伝わる伝説「クビナシ様」を探すため近所の「白首山」へ登る羽目になった幼馴染の二人、あかりと隆司。暗躍する秘密結社、そして現れた謎のペンギン。一体何が起きているのか?

 

とにかくネタと構成の妙で押し切る力技が光る1冊。読み終わったら納得して、もう一回読み返したくなること間違いなし。

 

8.エンジン・サマー/ジョン・クロウリ―  

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)

エンジン・サマー (扶桑社ミステリー)

 

はるかな未来。機械文明を失った人類は、少数の原始的なコミュニティを作り、天使の残した様々な物品を使いながら暮らしている。そんな集落の一つリトルベレアに生まれた少年は、青い瞳の少女に恋をする。旅立った彼女を追ってリトルベレアを後にした少年の旅は、天空の街に至る――。

 

せっかくなので、ペンギン・サマーのタイトルの元ネタも。こちらはふざけてないマジでガチの傑作。中盤の退屈さを耐えて最後まで読みとおしたものだけが味わえる感情の爆発をどうぞ。

 

 9.ハローサマー、グッドバイ/マイクル・コーニー 

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

ハローサマー、グッドバイ (河出文庫)

 

ドローヴはエスタ国の首都アリカに住む政府高官の息子。ドローヴは家族旅行で向かった海辺の町バラークシで、ブラウンアイズという名の少女と恋に落ちる。しかし、ブラウンアイズは庶民の娘。地位を重んずる両親が交際を認めてくれるはずも無く…。

 

流れで海外物をもう1作。ハローサマー、グッドバイは恋愛小説+SF+戦争小説のハイブリッド。主人公たちの暮らす世界そのものの秘密が明らかになった時、物語はその姿をガラリと変える。恋とSFの相性の最高さを教えてくれる超傑作。

 

10.サマー/タイム/トラベラー新城カズマ  

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

 
サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

 

 あの夏、未来に見放された町・辺里で、悠有は初めて時空を跳んだ。たった三秒だけ、未来へ。響子、コージンと涼と僕、そして悠有の高校生5人組は、<時空跳躍少女開発プロジェクト>を開始した。

 

夏の時間SFとしてはこれも忘れられない。SF好きならニヤリとできる要素がてんこもり(2巻の表紙、「ゲイルズバーグの春を愛す」柄の浴衣です)。夏が来ると読み返したくなる、ちょっとだけ未来へ跳んでいく少女の冒険の物語。

 

とりあえず限界なのでここまで。思い出したら追記します。