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【読書感想】リライト/法条遥

法条遥さんの「リライト」を読んだ。書店で見てずっと気になっていた作品だったが、ようやく読むことができて満足。内容は…まあ、下に書きます。

 

リライト (ハヤカワ文庫JA)

リライト (ハヤカワ文庫JA)

 

 

「もうひとつの時をかける少女」という触れ込みの本作。舞台は1992年夏。未来から来たという少年・保彦と出会った「私」は、保彦とともに、この時代に書かれたはずの1冊の小説を求めてひと夏の冒険をする。そして夏の終わり、旧校舎の倒壊に巻き込まれた「私」は、保彦を救うために10年後にタイムリープする。そして10年後。かつての自分が過去からやってくるのを待っていた「私」だったが、なぜか自分はやってこなかった。歴史が変わってしまったのか?

 

どうですか。面白そうじゃありませんか? 未来から来た少年。ひと夏の恋。突然の別れ。タイムリープ。記憶と現実の齟齬。間違いなく、ここには青春時間ものSFの面白要素がすべて詰まっていると。うん、確かに面白い。ぐいぐい引き込まれた。一気に読んでしまった。青春風味も存分に味わえたし、SFの面白さもあった。そして…後味が悪かった!

 

いやー、これでさわやかな感じにまとめてくれれば、ズバリ自分の好みどストライクだったんだけど、ちょっとジャンルが違った。ミステリーではこういうオチ結構見る。過剰系というかやりすぎ系というか、基本やってることは単純なんだけど、数を過剰に重ねることでオチとして成立させている感じ。面白かったけど、自分が今欲しているものとは違ったかな。

 

でも、終盤で登場人物の一人が、色々と種明かしをしてくれるくだりはちょっとなーと思った。謎解きの途中で自己矛盾してきて、あばばばば状態になって説明できなくなってしまう。これは、パラドックスの演出なのはわかるんだけど、読者目線だと、整合性をつけることから「逃げられた」感がある。後味の悪さはストーリーのジャンル違いだから受け止めるけど、SFだし、そこはきっちり突き詰めて見せてほしかった。ホラー大賞でデビューした作家さんだから、その辺は無頓着なのかな。

 

まとめると、雰囲気もアイデアもよくて、とても楽しめた。ただ後味悪かったのと、すっきりしない終わり方がちょっと期待と違ったという感じ。青春SF好きな方ならおすすめできる作品だと思う。しかし、これ4部作らしいんだよな。あと3作、読むかどうしようか…。